一般的な検査
まずは妊娠しにくい原因があるのかどうかを調べる一般的な検査を受けてみましょう。
検査で異常が見つかれば、良くなるような、またはカバーできる方法を提案します。
まだ妊娠を考えて間もない方でも、今のご自分の状態を知っておくのは大切なことです。
月経周期に沿って行う検査
- ① ホルモン検査(LH,FSH,E2,PRL)
- 卵胞発育や排卵に関わるホルモンを血液で測定します。
- ② 卵管造影検査
- 卵管の通り通過性や子宮の形を造影して調べます。
- ② 卵管通水検査
- 卵管の通り通過性を水の入りやすさで評価します。
(造影剤不可の方)。子宮卵管造影の写真
- ② 超音波検査
- 卵胞計測により排卵の時期を推測します。
- ③ 性交後試験(フーナーテスト)
- 頸管粘液内の精子の運動性を確認します。
- ④ 着床期検査
- 子宮内膜の超音波検査、黄体ホルモン測定を行います。
時期にかかわらず行う検査
a〜dの検査は初診時にまとめて行います。
- a. 感染症検査
- B,C型肝炎、梅毒、HIV,風疹抗体、クラミジア抗体を調べます。
- b. 血液型検査
- ABO型とRh抗原の有無を調べます。
- c. 末梢血検査
- 主に貧血の有無をみます。
- d. 甲状腺機能検査
- TSHとFT4を調べます。
- e. 卵巣予備能検査
- AMH:抗ミュラー管ホルモンにより卵巣に残っている卵子の量を血液から推定します。
- f. 精液検査
- 精子の数や運動性を調べます。2〜4日間の禁欲後に検査をします。
必要に応じた特殊検査
- ホルモン負荷テスト
- 月経不順の原因を、ホルモン注射に対する反応により調べます。通常は月経中に血液検査で行います。(①の時期)
- 抗精子不動化抗体※
- フーナーテストの結果が不良の場合に女性の方への血液検査で調べます。抗体が陽性の場合にはさらに抗体の強さを調べて人工受精や体外授精を検討していきます。
- 不育症検査
- 流産を繰り返している方を対象とした検査です。血液検査で抗リン脂質抗体などを調べます。
- 慢性子宮内膜炎検査※
- 子宮内膜を採取してCD138の免疫染色を行います。反復着床不全や不育症に対する検査です。
※の付いている検査は自費で行います。
- 卵管鏡下卵管形成術(FT)
- 卵管の閉塞や狭窄を改善する治療法ですが、同時に卵管の状態を調べる検査でもあります。
- 子宮鏡検査
- 子宮内腔に筋腫やポリープが突出していないか、癒着でふさがっていないかなどを細い内視鏡で観察します。着床不全の原因となる慢性子宮内膜炎の診断にも役立ちます。(②の時期)
子宮鏡検査